プロジェクトに至る経緯
ワオキツネザルとの出会い
「絶滅体験レストラン」の開催に至るまでの経緯をお話しする前に、私がなぜWoWキツネザルというキャラクターを始め、これまでに何を見てきたかをお伝えします。
ワオキツネザルとの出会いは、小学生のときまで遡ります。動物や恐竜、虫、魚のような生き物全般が大好きな子供で 誕生日には図鑑を買ってもらうのが楽しみでした。
隣町に富山市ファミリーパークという動物園があり、そこに新しくやってきた動物がワオキツネザルでした。図鑑で知ってはいたものの実物を見るのは初めてで、可愛らしい見た目や名前、マダガスカルという未知の国から来たということもあって 何もかもが衝撃だったことを今でも鮮明に覚えています。その時からずっと、ワオキツネザルが一番好きな動物になりました。
そして時が経ち、私はエンターテイメントの世界へ飛び込みました。最初はバンドマンとして、次に司会者として。その中で生まれたキャラクターが 一番好きな動物をモチーフにした 「MC WoWキツネザル」だったのです。
マダガスカルの国獣であるワオキツネザルをもっと知りたいと、本やネット、駐日マダガスカル大使館や研究所に足を運び、ワオキツネザルと 生息地である マダガスカルの魅力と課題について学ぶようになりました。それらを多くの方に知ってもらいたいとイベント開催や講演会を行ってきました。
子どもたちが「ワオキツネザル可愛い!」「マダガスカルのこと初めて知ったよ!」と笑顔を輝かせて私に感想をくれたり、そんな風に思ってくれる方々が増えるのがとても嬉しかったのを覚えています。
ですが「伝える支援」だけでは、失われゆく自然や動物たちの命を救うことができないのではないか。間に合わないのではないか。と不安と焦りを感じました。
いざマダガスカルへ…
そして2017年にマダガスカルへ渡航し、その思いは確固たるものとなりました。
保護区にしかない森、絶滅の危機に瀕している動植物、
今も規制できずに続く野焼きや密猟を目の当たりにしました。
生物多様性の象徴であるこの島では、信じられないスピードで絶滅へと向かっていたのです。
この島の動物たちだけでなく日本のみならず、世界にも絶滅に瀕している動植物たちが数多くいる。早急に、より多くの人たちの意識を変えなければならないと強く感じました。
我々は日本に暮らし、多くの情報を受け取り生きています。小さい時から環境についても教育されてきました。「ゴミを分別しなければいけない」「二酸化炭素を減らさなければならない」「ポイ捨てしてはいけない」と教えられ、わかっているはずですが、なぜ行動に移せないのでしょうか。私はその「なぜ」の部分に多くの人々の行動を変えることができる可能性を感じました。
体験して初めて分かること。
それは、私自身の意識と行動を大きく変えた「体験」というものが多くの日本に住む人々に抜け落ちているからだと気づいたのです。
「自分の出したゴミがどこかで動物を殺しているかもしれない。」
「遠くに住む動物が絶滅しても自分の生活にどんな影響があるのかわからない。」
「普段使っている洗剤やレジでもらうビニール袋を意識していない。」
このイベントではそういった無関心が引き起こす悲劇と、そうならない為の方法を体験できるイベントにしたいと思います。
0コメント